
デザイナー契約をさせていただいている企業で、5月末、社員の一人が定年退職を迎えられました。
中途入社で、在籍20余年。七福神の一柱のようにいつも穏やかな笑顔をたたえた方で、最後の勤務後、私も社員の方と一緒にお見送りさせていただきました。
本来なら、盛大な送別会を開いて労をねぎらい、新たな門出を祝うべき相手です。
しかし、今は、、、
ほっとしたように、でも寂しそうに社屋を後にするその姿に、とても残念で切ない気持ちがこみ上げました。
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ゴールデンウイークの最中、福島で暮らす近いつながりの親戚が亡くなりました。
関東在住の私たち家族は、話し合いの結果、葬儀への参列を見送ることに。
ずっとお世話になっていたのに、悔しくて、申し訳なくて、やるせない思いでいっぱいです。
この数か月、私からもさまざまな「日常」が奪われました。
心から楽しみにしていたイベントはことごとく中止、もしくは延期。
いくつかの仕事が消え、決まっていた案件も内容が大幅に変更となりました。
買い物に出た休日、少し遠回りして、緊急事態宣言が続く商店街を歩いたことがありました。
通りには、必死にテイクアウトをPRする飲食店の方たちの姿。
それを目の当たりにしたときの、涙がこみあげるほどの胸の痛みは忘れられません。
政府によるこの騒動への対応に、正解はあるのか。
感じる思いは人それぞれでしょう。しかし、同調圧力から生まれる「自粛警察」や「県外ナンバー狩り」などは、行き過ぎた行為であることは間違いありません。
世の中で一番怖いもの、それは「人間」──。
私たちは今、その事実を見せつけられていると感じています。